へっぽこ社会人4年生がプログラミングを頑張る

へっぽこ社会人4年目がプログラミング系統を中心に書きたいことをつらつらと書きます

DojoCon Japan 2019 参加レポート Part 3

DojoCon Japan 2019 参加レポート Part 2 に引き続き、DojoCon Japan 2019の参加レポートを書いていきます。参加から半年も経ってしまい、今更感が拭えないのですが、気にせず書いていこうと思います(笑)

スーパー学生トーク

CoderDojoなどで活躍する学生の三橋 優希氏、野崎 智弘氏、山野 一樹氏、浦添 一氏、村馬 弘一氏(モデレータ)が、リアルタイムで聴講者の質問に答えるトークショーでした。司会もパネリストもスーパー学生が中心に行いました。セッションの様子は こちら から閲覧できます。

概要

このセッションでは、Slidoを利用してリアルタイムにパネリストに質問を投げ、挙がった質問をピックアップして答えるという形式を取っていました。

以下、質問のセクションごとに回答の要約を記載します。

好きなプログラミング言語

  • Ruby
    • 理由は名前が可愛いから
    • 書けるようになりたくて、 Ruby on Rails でプロジェクトを作ったりRuby Kaigi に参加したりして勉強した
  • JavaScript
  • Vue.js と Nuxt.js
  • C#
    • 理由は少し書けるから
  • Scratch
    • 書いていて楽しいから

CoderDojoで大変だったことと楽しかったこと

大変だったこと
  • 基本的に大変だったことはない
    • 強いていえば交通費の面が大変と思ったことはあった
  • CoderDojoに参加するまでScratchを触ったことがなくてどう教えたら良いか悩んだ
    • 自身が高校で習っている最中の三角関数を小学生が扱っていて教えるのに苦戦した
  • Dojoのチャンピオンとして、小学生のニンジャがいうことを聞かなかったり喧嘩したりすることがあって落ち着かせるのが大変
  • 未成年だと行政団体の手続きが大変
    • 対外的な面で大人の同伴が必要
  • 自分よりScratchの分かるニンジャに教えるのが大変
    • 自分なりのコードを教えても違った場面で通じない場合にどうしたら良いか考えるのが難しかった
楽しかったこと
  • わからない箇所をニンジャと一緒に考えて解決できた時に達成感を感じる
  • メンターやニンジャなどDojoに参加している人たちと話すことが楽しい
    • プログラミングなどの共通のジャンルの興味について話せることが楽しい
  • ニンジャの面白い作品を見ることが楽しい
  • 自分と同じ年代でプログラミングをやっている人と繋がれるという点でCoderDojoというコミュニティが良い

プログラミング教室についてどう思っているか

  • 良いと思っている
    • ただしCoderDojoとプログラミング教室は別物という認識は必要
    • プログラミング教室は強制的にプログラミングを勉強する環境なので成長度は高い
    • CoderDojoは自主的にやる分楽しんでできる
  • 教室とCoderDojoのどちらが良いというのはない
    • プログラミング教室に通いたかったが月謝が高いからだめと言われた経験がある
    • 子供達が無料でプログラミングを学べるCoderDojoというコミュニティが良いと感じた
      • ボランティアとして活動する人も様々で色々な人たちと交流ができて世界が広がった
    • CoderDojoのようなコミュニティの発展を望む
  • 本格的に学ぶ際にプログラミング教室は良いと思う
    • CoderDojoはプログラミング教室より敷居が低い
    • CoderDojoでプログラミングをやりたいと思ってからプログラミング教室に通うのもありだと思う
    • CoderDojoはプログラミングに興味をもつための入り口としての役割を果たしている
    • 本格的に学ぶのにプログラミング教室を活用する
  • CoderDojoはプログラミングだけでなく、絵だとかロボットなど色々な分野のことができる
    • プログラミング教室でも色々なものが経験できる場所もある
    • CoderDojoの方が色々な人がいる

イデアはどんな時に浮かぶか

  • 何もしてない時に浮かぶ
  • ふとした思いつきや考えてパッと出てきたもの
  • 物事を深く考えたあとに出てくる
    • イデアは自分が考えたプロセスの結果だと思う
  • 散歩している時
    • 風景を眺めているとふと出てくる

プログラミングの仲間はどう作ったか

  • CoderDojoに参加してからできた
    • CoderDojoに来るまでは身近にはいなかった
  • Scratchのコメント機能からできた
    • 実際にCoderDojoで会える
  • N高等学校
  • 高専で情報系の専攻をしている学生と繋がった
    • 高専に進んだ友人経由

所感

セッション全体が、質問に答えるという形式は非常に面白い試みだと感じました。リアルタイムで聴講者の質問に答えるという、アドリブ力が必要とされる場で、即座に答えられるのが本当に凄いと思います。

聴講者の人数もそこそこいる中、人前で堂々話せる度胸も凄いと思いました。筆者自身は人前に出て話すこと自体が非常に苦手なので、人前でしっかり話せるのが羨ましく感じました。自身も勉強会などで登壇する際に、落ち着いて堂々と発表できるようになりたいものです。

CoderDojoなどを通じて様々な人と交流を深めたり、CoderDojoのチャンピオンとして活動されていたりすることもあり、質問に対する回答も非常にしっかりしていると感じました。どう思っていて、なぜそう思うのか、考えるのかを明確に答えるのは、おそらく大人でも簡単なことではないと思うのですが、彼ら/彼女らはそれがしっかり出来ているように思います。

筆者自身、高校まで大して何も考えずにぼんやりと生きてきたので、しっかりした考えなんて当然持ち合わせていませんでした。自分の高校生時代を振り返ると、如何に彼ら/彼女らが活動的で、信念を持っているかがよく分かります。実は彼ら/彼女ら、人生2週目なんじゃないかな? (笑) いや、自分の過去と比較するのがおこがましいんだ、多分。

実際にSlidoにはたくさんの質問が投げられ、セッションの時間では足りないほどでした。それだけ聴講者も活躍する学生に興味を持っていたといえますね。基本的にはプログラミング関連の話題が多かったように思います。

もし、読者の方々の中で、学生を持ち上げ過ぎ、褒めちぎりすぎと思われる方がいらっしゃれば、ぜひセッションの様子を見ることをお勧めします。セッションの様子は こちら から閲覧できます。大事なことなので2回書きました(笑)

このセッションは、個人的に楽しみにしていたセッションの一つでした。CoderDojoの繋がりで知り合った方2名が登壇するということで、どんな話をするんだろうなぁと楽しみにしていました。楽しみすぎて、たしかDojoCon Japanの1週間前くらいから夜しか寝れませんでした(笑) 念のために書いておきますが、楽しみにしてたのは本当です

不登校の子供達の支援に関する討論

CoderDojo Japanの理事であり、CoderDojo 西宮・梅田のチャンピオンをされている細谷 崇氏による「 凸凹があってもいい、CoderDojoが支える子どもたちの次のステップ 」という題目でのディスカッションでした。

諸事情でセッションの途中から参加したので、参加途中からの内容を覚えている限り書いていきます。結構記憶が怪しいので、補助的に こちら のツイートのスレッドおよび こちら のツイートを参考にさせていただいていますが、 私の記憶違いで間違ったことを書いていたり、整理しきれずに文章が読みづらいものになるかもしれません が、ご容赦ください。

概要

議論の中心は、 不登校 の学生をどう支援していけば良いかでした。学生、保護者、教育現場の関係者など、様々な立場から意見交換をしていました。

実際に学校に行くのがつらくなった学生の方は、中学受験をし、中高一貫の学校に通うことになったのですが、ストレスで学校に行くのがつらくなり、不登校を経験したとのことです。教室ではなく保健室への登校をされていたこともあるそうです。教室への登校に復帰できたこともあり、その際はクラスメイトはごく普通に迎えてくれたとのことで、人間関係によるストレスというよりは、環境の変化による刺激がストレスになったようです。

CoderDojoに足を運ぶようになって、 好きなことをしていい という経験をし、また様々な人との交流によって世界が広がったそうです。現在はCoderDojoの活動に尽力したり、スタートアップのインターンに参加されたりしているとのことです。

昼の定時制学校の教員の方の話では、かつては定時制学校は 夜間に働きながら学ぶためのイメージ でしたが、最近では時間帯は昼で、 不登校の子が通うための役割が大きい とのことです。 環境が変わると学校に通える 子が多いとのことですが、それでもおよそ120人に20人程度は環境が合わずにやめていき、通信制などに移るとのことです。

別の教員の方は、他の子と一緒に学校に来れない子に対しては、時間外で 個別に対応 されているとのことです。しかし、 働き方改革 が提唱されている今、時間外で個別対応などの工夫が難しくなっているとおっしゃられていました。また、個別対応に対して、別の保護者から不平と言われることもあったそうです。

保護者が考えるテンプレートに当て嵌めようとする と、それが ストレス になることも議論として挙がりました。回りの子と違うことに対して保護者の焦り、子供に対して(本人にとっては難しいにも関わらず)回りと合わせるようにさせる言動が大きな負担となるとのことでした。

具体的な事例としては、 文字を読むのは苦手だがタイピングが得意でローマ字は分かる 子がいるらしく、 PC でずっと遊んでいて勉強をサボっているように周りから見られることがあったことが挙げられていました。PCは得意なようで、 PCの分解や組み立て を教えることで内部構造を学んだりしていたそうです。

所感

当事者や関係者の世界の見え方を知る良い機会となったと感じました。今まで身近に不登校を経験した人がいた記憶がなく、どういった経緯で不登校になったり、どのように感じているかを知ることもありませんでした。それ以前に、今までしっかり気に留めたこともなかったような気がします。おそらく、大半の人も同様なのではないでしょうか。

当事者や関係者でないと分からない 部分も大きいのではないかと思います。当事者や関係者以外の第三者不登校の実際について知る機会があれば、もしかしたら支援について理解が進むきっかけになるかもしれないと考えますが、どのように第三者が知る機会を得るか、どの程度理解を得られるかについて議論の余地があるかもしれません。

不登校に関して、当事者だけでなく 回りの環境 についても議論が必要だと思いました。特に、 出来ないのは努力が足りない/サボっている回りと同じでないといけない などの認識は、家庭や学校など、 周辺の環境によるところ が大きいと考えています。 世間体常識 に囚われていると言えるかもしれません。これらの認識は いきなり変えることは難しい ので、どうやって 徐々に変えるのか(あるいは変えないのか) を議論し、教育支援をしていくかを考える必要があると思います。

一般的には簡単に出来ることが出来ない と、 ふざけている ように思われるのかもしれません。出来ないことが理解されないと、本人が決してふざけているわけではないにも関わらず、「サボっている」や「努力が足りない」という評価になってしまうのではないかと考えます。 回りと同じようにすることが容易ではない人がいることが広く知られるようになり、支援が円滑に行われるようになってほしいと思います。

現在の社会では、 学校で教育を受ける ことが当たり前となっていますが、学校以外に 自由に選択できる学校以外の学びの場 が充実すれば、学校が合わない場合でも自分にあった場所を選ぶことができるのではないかと考えます。選択肢が増えることで 興味のあることや得意なことを模索しやすく なり、学校が合わなくても他の居場所も見つけやすくなるような気がします。

筆者自身は、学ぶ場は必ずしも学校でなければならないとは考えておらず、学校以外にも選択肢がある方が良いと思いますが、様々な視点からの議論は必要だと考えます。例えば、学校以外で学ぶ場合、 共通の基礎教育の担保 をどうするかや、小中学校の場合、 義務教育 の面をどう考えるかの議論が必要でしょう。今回のディスカッションのような意見交換をする機会があれば、良い支援方法が生み出せるかもしれないと思います。

余談: 筆者の経験談に基づく考察

筆者の経験的には、うろ覚えながらこれまでの学生生活で、(特に親から) 出来ないことを叱責されていた ように感じます。もしかしたら叱責のつもりはないのかもしれませんが、少なくとも自分の中ではそのように感じていました。以下自身の体験談をいくつか列挙します。なお、この節は他の節とは関連しないので、読み飛ばしていただいても問題ありません。

筆者は手先の器用さを要することが非常に苦手です。大抵の人が簡単にできるようなことが筆者には難しく感じることがあります。例えば、手で開封できるタイプの袋がうまく開けられないことがあったり、細かいものを手や道具を使って組み立てたりバラしたりがうまく出来なかったりしたことがあります。そのことで、「こんなことが出来ないようじゃ将来困るぞ」と叱責された記憶がぼんやりと残っています。 簡単に出来たら苦労してない。

非力なことについても、結構色々言われました。少し重い物を持ち上げたりするのに非常に苦労していると、 男のくせに情けない だの言われました。正直、平均的な男性が普段から鍛えることが当たり前のこととは思えず、なぜあれだけ筋力がつくのか、ずっと疑問に思ってきました。 本当になんで? 実は普段から筋トレをするのが当たり前なの?

まだ書きたいことは色々ありますが、段々話題がずれてしまいますし、何よりただの愚痴の記事になってしまうので割愛します。

筆者自身も上記に挙げたように、回りがごく普通にできることが自分にとっては非常に困難に感じることはいくつかありました。筆者自身の努力不足も原因ではあるのですが、 回りと同じように簡単に出来ないことを叱責されるのはつらい と感じていました。決してふざけているわけでもなく、本当に難しく感じるのに叱責されると、自分にとって難しいということを 他人には理解されない と思うようになり、 どうせ頑張っても叱責されるなら、本当に怠けていて叱責される方がマシだ とひねくれた考えを持つようになっていました。

筆者自身はかなり不真面目で適当な性格なので、それがある種の心の安全装置になっていたと思うのですが、回りと同じように出来ないことで強い劣等感を感じて苦しんでいる人々は、非常に 真面目努力家 なのではないかと筆者は考えます。真面目に取り組んで努力しているにも関わらず、回りが簡単に出来るようなことが出来ないと劣等感に苛まれ、精神的な負担がかかるように思います。しかし、視点を変えて考えると、 得意分野 が見つかれば、それに真面目に取り組めると考えられるので、 一般より秀でた能力 を得られ、 自信にも繋がる のではないかと思います。

人によっては得手不得手が大きいこともあります。それは何らかのハンディキャップを抱えていない人であっても、回りが簡単に出来ることだとしても難しく感じることがあります。出来ないことを叱責するのではなく、 「凸凹があってもいい」 と認め、柔軟に支援が出来るような社会づくりに少しでも貢献できるようになりたいものです。

まとめ

スーパー学生トークでは、CoderDojoなどの活動に精力的に取り組んでいる学生の皆さんの考えに触れることができ、非常に貴重な機会でした。Slidoを用いてリアルタイムに聴講者の質問に答えるという、アドリブ力の要求される場で即座に回答していることが非常に凄いと感じました。聴講者も彼ら/彼女らの考えについて興味を持つ人が多かったようで、Slidoにはセッション時間だけでは答えきれないほどの質問が挙がっていました。

比較するのもおこがましいですが、筆者が同じ年齢の時を振り返ると、これといった活動もしていなければ、しっかりした考えも持っておらず、ぼんやりと生きてきたので、彼ら/彼女らが非常に輝いて見えました。積極的に活動する学生に対して、将来的に何らかの支援が出来たらいいなと思います。

不登校の子供達の支援についての議論では、学生や保護者、教育関係者などの様々な立場から経験に基づいた意見交換がなされました。様々な場所で支援の工夫などが考えられていることを知る良いきっかけとなりました。また、これまで不登校が身近でない自分にとは全く違った世界の見え方があるということを実感させられました。

世界の見え方が違う分、実際に不登校が身近でなかった自分が直接的に有益な支援することは難しそうですが、一方で回りが簡単に出来ることが自分にとっては難しく、なかなかそれを理解してもらえないという経験はしているので、間接的になんらかの形で貢献する方法を考える余地はあるかもしれません。幸いにも、筆者がメンターとして参加しているCoderDojo 西宮・梅田には様々な方が参加されており、交流を持たせていただいているので、色々な話を聞いて知見や考えの幅を広げられそうです。インプットだけでなく、ちゃんと自分の考えもアウトプットして、様々な視点からレビューをいただいて、考えを洗練しつつ、どのような形でなら小さくても貢献できるか模索していけたら良いなと思います。

おわりに

DojoCon Japan 2019の開催から約半年かけて、参加レポートをPart1からPart3に分けて執筆してきました。 (期間の半分以上は全く記事執筆してなかったけど) 執筆当初は午前午後に分けて記事を書くつもりでしたが、まさかPart1をKeynoteの概要と所感で埋め尽くすとは予想もしていませんでした(笑)個人的に内容に非常に共感できるところが多かったです。

1日のイベントでしたが、本当に驚かされることや考えさせられることが多く、良い機会となりました。CoderDojoに関わる方だけでなく、より様々な方に参加していただきたいイベントだと感じました。もし本記事を読んで少しでも興味を持ってもらえたなら、ぜひDojoCon Japanに参加していただければと思います。新型コロナウイルスの影響もあるので、DojoCon Japan 2020が無事開催されるのかは、現時点では分かりませんが、開催が決まればぜひ参加していただければと思います。