2026/5/9 に開催された フロントエンドカンファレンス名古屋 2026 に参加しました。
この記事では、一般参加者の目線で、当日の感想を書きます。

当日の様子
聴講したセッション
今回のフロントエンドカンファレンス名古屋 2026 では、以下のセッションを聴講しました。
- デザインとコードの境界を溶かす (基調講演)
- 登壇者: 綿貫 佳祐 さん
- 知ってた?JavaScriptの"正しさ"を検証するテストが5万以上もあること(Test262)
- 登壇者: 西 悠太 さん
- F8キーだけがバグる話 〜日本語IMEとフォームバリデーション設計〜
- 登壇者: 赤神青空 さん
- ソースコードで比較する React / Vue / Svelte のセキュリティ実装と設計思想
- 登壇者: AkitoTsukahara さん
- 「小さいVue.js」を30分でつくる
- 登壇者: Hal さん
- 新卒1年目がTPACに参加したことをきっかけにMDNのWeb APIを全部読んでみた。
- 登壇者: kuracchi さん
- JSDOMの限界と実ブラウザテスト - Vitest Browser Mode実践 (LT)
- 登壇者: しょう さん
- リセットCSSを1行消したらアクセシビリティが向上した話 (LT)
- 登壇者: pvcresin さん
- Zodのデータ変換が便利すぎた。しかし使いすぎで苦しくなっていった話 (LT)
- 登壇者: Banri Kakehi さん
- Web標準なフォームは万能じゃなかった。Conformを使って直面した現実 (LT)
- 登壇者: 武内 覇斗 さん
- Import assertionsが消えた日~ECMAScriptの仕様はどう決まり、なぜ覆るのか~ (LT)
- 登壇者: おおいし (bicstone) さん
本記事では、特に印象に残ったセッションについて記載します。
F8キーだけがバグる話 〜日本語IMEとフォームバリデーション設計〜
概要
ある日、クライアントからカタカナを入力すると文字が二重になるというバグ報告を受けたそうです。
実際に調査してみると、「ああ」を F8 キーで変換すると「ああアア」や「あア」のような変換の不具合が確認できたとのことでした。
まず前提知識として、日本語 IME やファンクション変換キー、変換の未確定状態 (composition) という概念とブラウザの composition イベントについて解説されていました。
また、 F8 キーで変換される半角カナと文字コードの歴史的な経緯についても説明されていました。
そのあと、バグ報告されていた現象がどの層によるものか、原因の切り分けをするためにログをとって調査されていました。
ブラウザのイベントログからデータの状態を確認して IM が原因と特定した後、どのような手順で再現されるかも調査して特定されていました。
最後には対処方法も紹介されつつ、 IM 起因によるものなので完全な対応は困難と結論付けられていました。
さらに、今回の調査結果から、 F8 キーだけがバグの原因ではなく、 IME の状態管理とブラウザの仕様と実装のギャップが根底にあるとのことでした。
感想
ファンクション変換キーに起因する日本語 IME のバグという、滅多に聞くことのないケースの話を聞けてとても良かったです。
そもそもファンクションキーを使って日本語を変換する機能があること自体を知らなかったので、良い学びになりました。
変換バグがどの層で起こっているのかという問題の切り分けをしっかり行われていたのも良いと感じました。
ブラウザのイベントログなどを確認しながら内部状態がどのようになっているか、そしてどのようにしてバグが再現できるのかを追っていく過程がとても興味深かったです。
このバグに限らず、奇妙なバグの原因調査をする上で、まずどの層が原因なのかなどの、問題の切り分けを自分でも行えるように意識していきたいと思いました。
また、デジタル庁が半角カナの利用を非推奨としていることも初めて知りました。
とはいえ、全銀データは半角カナを利用しており、簡単になくならないのは世知辛い話だと思いました。
発表全体の構成や話のつなげ方なども上手で、面白くて非常に引き込まれる発表でした。
今回のイベントで聴講したセッションで最も印象強く残りました。
「小さいVue.js」を30分でつくる
概要
30 分のセッション内で、実際に動く小さな Vue.js を作れることを実践されたトークセッションでした。
Vue.js の理解を促進するための文献として、 The chibivue Book というものがあり、このセッションでも参考にされていたとのことでした。
30 分で作る 小さい Vue.js は、以下の要素を実装する内容でした。
- Vue インスタンスを作成するための
createApp()関数の実装 - 仮想 DOM の定義
- リアクティブ監視を実現する
reactive()関数の実装 - Vue の template compiler の実装
- Vue の SFC をコードに変換する処理の実装
- Vite で自作の小さい Vue.js を動かすためのプラグインの実装
感想
小さい Vue.js を実際にトークセッションの時間内で作って動かせるところまで実演されていて、自分でも試してみたいと思えました。
筆者自身は chibivue の存在自体は知っていたのですが、手を付けられずにいたので、これを機に少しずつ手を付けてみたいと改めて思えました。
今回の発表では、必要最小限の構成要素だけでも単純な Vue.js のプログラムを動かせることを実演されていたのがとても良いと思いました。
Vue.js が内部でどのように動いているかの基礎を学ぶきっかけにもなりました。
Vue のプログラムをコンパイルするだけでなく、 .vue ファイルを扱っている点も良かったです。
全体を通しての感想
一日通して、色々と興味深いセッションを聞けて、とても勉強になりました。
ひとことにフロントエンドといっても、 Web 標準の仕様とブラウザの実装から、 JavaScript のフレームワークの話と非常に幅広い領域だとあらためて思いました。
初めて知る技術についての話や、ニッチな事例の話などを聞けて、とても良い刺激となりました。
また、名古屋の人にも、名古屋以外の人にも名古屋名物を食べてもらうために名古屋名物のお弁当を配るのもとても良かったです。
遠方から参加されている人にとっては手軽に名古屋名物が食べられるし、地元の人も地元の名物を食べる良い機会になったと思います。
ちなみに、筆者は名古屋コーチンのとりめしをいただきました。
とても美味しかったです。


フロントエンドカンファレンス名古屋は今年が初めての開催となりましたが、非常に盛り上がっていると感じました。
去年は PHP カンファレンス名古屋が開催されて、今年はフロントエンドカンファレンス名古屋と、名古屋の IT コミュニティも盛り上がってきているような気がします。
愛知出身なので、名古屋のコミュニティも盛り上がっていくことを願っています。
最後に
フロントエンドカンファレンス名古屋 2026 の開催準備から運営までに携わられたスタッフの皆さんにこの場をお借りして御礼申し上げます。
登壇者の方々やスポンサーされた企業様ならびに出展されていた方々に御礼申し上げます。
皆様のおかげで、とても良いイベントに参加させていただけたと思います。
改めて、感謝申し上げます。
